2013/02/08

「たたり」

「たたり」とは面白い名称だ。「祟り」とは関係はないだろうが・・・まあ、民俗学的なことはさておいて。棒が立っているので「たたり」、簡単明瞭でよろしい。いたって単純なもの、古い時代からあったのだろう。このいたって単純明快な道具が、案外に賢いのである。材は土台、たち棒とも松材で作られている。画像のように1本と2本の二つの組み合わせである。たち棒は上部がややしぼられている。これが使い勝手を良くしているコツなのである。
 
 
この使い道の一つは、経糸の縞割りのときに使われる。
 
縞割りまえ


 縞割り完成
  
そして次の使い方、少し説明が要るが、この画像は仕事を一つ省略してある。いま羽にかかっている糸は緯絣のまだ絣部分の縛りが解いてないのであるが、ほどくと6本組の糸が何十回とある。それを捩れないようにほどくのに・・・・、面倒な説明はどうでもよくて、ようは大きな輪になっているかせを二つの羽を使って糸をとくときに、このたたりは糸道が左右に振れないように支えていてくれる。人一人分の仕事をしてくれる。 
 
 
 
次は大きくても小さくても、とけにくい糸をとくのに使うのである。かせ(輪になった)糸が回ってとけるのではなく、糸道が移動してとける。羽にかけてとけにくくなってしまった糸や大がなの糸や、ぼろ糸といわれているものも、最後にはこれを使うととけるのである。

 
たたりの上部には糸道がある
  
こんなところが、今日の「たたり」の使いみちかな。「たたり」は、まだまだ使い勝手でどうにでもなる優れものだ。 

 



 
 
 
 
 
    

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