そろそろ「仕事場の道具たち」も終章に向かう時がきた。道具が尽きてきたので後2回ほどで終わりにしようと思っている。
今回は機織機の話です。
機も基本的な要素は、どの様な機でも何も変わりない。その所々で織られるものが、織り易いように機も出来ている。素材でも絹・木綿・麻等、そして撚りのきつい織物・無撚りのもの、先練(糸を)りをして織るもの・後練りの布等を作る場合と、細かく言えば限がない。そのように、織る布に合わせて機を自由に直して使う、これも一興なのである。
高機と呼ばれるもの。このあたりの機が見本。 材はヒノキ、これは建具屋さんが作った。 |
上の写真の機をややアップで撮ったところ。筬柄にはバッタンを使って いる。糸物を織るのには、緯糸の打ち込みが安定する。いわゆる打ち 込みむらが少ない。経糸が伸びきったままに成らぬ仕掛けはしてある。 |
織り前のバッタン、伸子がはずしてある(写真のため)。 |
これも高機、8枚のソウコウを仕掛けてある。柄はバッタン。 |
バッタンの杼箱 |
高機、けん先の部分。 |
バッタンの大小。広いものは75センチ幅ある。 |
高機、手越しの筬柄。緯糸が紬糸のときには、手越しの筬柄を使 う。緯糸の打ち込みが入りやすい、緯糸の引きが柔らか等のため。 |
手超しの筬柄部分 |
今からすると昔使われた筬柄、まだ使っておられる人もいるかな。
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広幅織り機、厚手の布の長い物を織るときには 巻取りちきりの位置(構造)に一考があるが…。 |
広幅用筬柄
…と、この仕事場に ある機を見てもらった。古い昔の機は、ここの織物の布作りには適していない。昔、奄美の機が値段が手ごろだった事もあったのだが何台も入れてみた。材も作りも良かったのだが、やはり奄美の絣を織るのには適していたのだが、ここでは使いきれなかった。
そのように自分の織物にあった機が一番なのだろう。 コンパクトで使いやすい機は伊勢崎の古澤さんの機は素敵だ。写真にはないが一台使っている。 以上の事は、あくまで我が仕事場の見解である。
〔おりもの修行中/ランラン日記〕
いままでは少し窮屈でもあたえられた織機に自分の体を合わせることが使
いこなすこととおもっていた。本格的な仕事場で学び始めて、織る布に合わせて大工道具によって織機が変化していくのをみた。これからは、最適の 状態を見きわめて整えられる力をすこしづつ身につけていきたいとおもう。
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