2013/01/13

「柿渋のこと」


柿渋作りは二百十日ごろといわれている。昨年(2012)は夏場が暑かったせいか、小柿の生育がよかった。例年(いつもは二百十日過ぎ)よりは早いが、柿渋作りの作業をした。

よくみのったもぎ取られた小柿の実

実を潰す石台と縄輪

輪の中に入れた小柿の実  こうすると潰すときに外に飛び出さない

木槌で潰す作業

つぶす作業は終了
 
これで作業は終了、あとは容器に移して、およそ小柿と同量の水を入れ撹拌、数日間してから漉して保存容器に移して保存する。これは一番取り渋。

潰した実に水を加えて撹拌
                                     
最初の作業と同じように、一番目より少ない水をいれ二番渋を取る。三番渋までぐらいは取れる。この一、二、三番の渋の濃度は、使用目的によって使い分ける。寒い地方では、冬季保存中に渋を凍らせてしまうと、渋の効果はなくなってしまう。


1番搾りの柿渋(7日目に搾る)

昔から柿渋は重宝されてきた。今は、このものが持つ効果が、合成で作られてゆく。ここでの柿渋の使い道は、先ずは夏物の着物、帯などに用いる糸の染色材として使用する。それから和紙に渋を塗り重ねて渋紙を作り、筬その他の機道具の修理、補強材としても利用する。そして塗料としての使命もある。
いま、これに変わる便利なものは沢山あるが、しかし使用に楽な反面、美しさ・使用感覚・フレキシブルな強さ・・・等、柿渋の方が優れている場合もある。どちらを選ぶかは、その人が決めることだろう。





                             

 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿