今回は整経台と整経機の紹介。この二つは織機で織るための、経糸を整える作業をする道具なのだ。
この整経台は古いものだ。枠の縦0.9m、横2.65m。整経台の材は、枠と糸をかけるクイは樫材、そのほかの部分は松材を用いている。今の台の状態で最大で約130m(着物の長さで約10枚分)の整経できる手延べの整経台。手前の枠の6本のクイは、いまどのくらい整経がすすんでいるかをカウントする数え綾と、糸を一本ずつ交互にクロスさせてやる、大事なクイなのだ。
織物の準備工程で、経糸の必要な長さ・本数・糸の配列順序などを正確に整えることが整経。整経作業をするとこのようになる。
次は今は使われなくなっている整経機。これも大方は木で作られている。手回しで巻き取りは動力を用いている。使い勝手のよい整経機だ。しかし数の仕事をしなくなってからは所在無さそうだ。広幅の織物をするときには便利なので使うくらいかな。昔は活躍したのだが。
手前の弓なりになっている白い穴のあるものは、糸道の先導 板、その次の四角な枠が綾をつくるところ、奥の大きな輪枠が 経糸の巻かれる輪 横から見た部分 前方部分 |
以上がここの仕事場の整経台と整経機の紹介でした。手仕事では、このような大そうな道具がなくても整経という作業はできる。しかし、たとえ手の仕事でも精度の高い仕事をするには、ある程度の道具があると仕事はたいそう楽になる。世界各国の手仕事の織物の仕方は千差万別、その仕事に根ざした方法がそれぞれにあるのだ。 これで、この仕事場の仕事はお分かりになりましたね。