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台紙に貼る予定の見本布 |
〔tool-私の仕事場の道具たち] の終わりに
以前より自分が使ってきた道具を残しておこうと思った。その道具とは織物で使う組織図なのである。別に新しい組織ではない。先人の伝えてきた組織だ。ただ自分がよく使ってきた組織を選んだ。
この blog のために作ったものではなく、以前から考え構成していたものだ。自家本で、見本布をつけてみた。全て手作り(不思議な単語)で完成させる予定だ。部数30部B5判、お世話になった方に差し上げようと思っている。
その一端をここに載せてみた。興味のある方は覗いてみてください、これをどうして作ろうと思ったかはそこにあります。
手織物の織物組織図ノート (PDF ■閲覧には Adobe Reader をお使い下さい)
■ 表 紙
■ 手織物の織物組織図ノート
■ 目 次
■ 凡 例
■ 平 織
印刷の用紙も気に入ったものが見つかりそう、製本用の背の布も用意できた。ゆっくりだけれども完成はほぼまじか、自分でも出来上がりを楽しみにしている。
・・・今日現在(2014/2/18)まだ完成に至っていない。
It is a time a little more.・・・?
最後の締めくくりは、この blog 三回目登場の辻まことの言だ。
「…… 歴史という文明の経験の中に生きる教訓を探すのは現代の流行であるが、そこに記載されているのは、いかなる強力な帝国も、富んだ国家組織も、かならず転覆し崩壊する事実である。文明は壮麗であろうがなかろうが、滅亡する。しかし人類は、どんな社会組織にしばられても、けっして全面的には崩れない。人は人として自ら復元する力をもっている。それは文化的な動物だからではない。未開な自然を内部に精霊としてもっているからだと、小さな丘の上で私は思った。」 とある。
(「岳人」1975年11月号掲載)
さてヒトは、人は今でも自ら復元する力を持続しているだろうか、文化的な動物だからではないだろうか。そうであってほしいのだが、考えさせられる。未開な自然を内部に精霊として持っていると思いたい。そして人類は、どんな社会組織に縛られようが、はたして決して全面的には崩れないだろうか。
すでにヒトは、ある方向へ定まった一つの道に舵を取っている、科学的という重い荷を背負い歩み始めている。この狭くなった地球上で、この道に踏み込まずに歩めるヒトはいるのだろうか。ヒトはすでに道具なしでは、どうにもならないところへ来ているのでは、原発もその一つだろう。大きな見方をすると、ヒトは決してこの流れを止める方向に働くことはないだろう、という。これは政治的とか経済的とか思想的とかいうことではなく、ヒトとはそのような生き物なのだそうだ。戦いが決してなくならないように。類人猿などはどうなんだろう。山極氏(山極寿一)に聞いてみたい。 しかし、ここは人としての英知の見せ所だ。
ヒト-学名Homo sapiens 人間の生物学上の標準和名
〔おりもの修行中/ランラン日記〕
いろいろな道具にささえられている染織の仕事それ自身がひとつのツールとい
えるかもと思うことがある。人や物や自然との出会いのきっかけとなり世界をひろ
げてくれる。いつもワクワクしながら染織の仕事を続けていけたらいいなとおもう。